MX Nylonについて
特徴
MX Nylonを使った容器包装で皆様の悩みを解決に導きます!
- 高いガスバリア性と耐薬品性を有する素材
- MX Nylonは「酸素や炭酸ガスに対する高いガスバリア性」と「高い耐薬品性」を有します。他素材と組合わせることで、品質をしっかり保持する容器包装の製造が可能になります!
- 環境にやさしい素材
- MX Nylonは持続可能な社会の実現に貢献する、環境にやさしい素材です!
用途・適用例
食品・飲料包装
- Needs
- 「賞味期限を延長したい」
「食品・飲料のおいしさを長く保ちたい」
Solution
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MX Nylonの「高いガスバリア性」で賞味期限を2.4倍延長!
MX Nylonは高いガスバリア性を有する当社独自の素材です。
食品・飲料の容器包装に用いることで、風味や品質の劣化を防ぎ、製品の賞味期限を延長可能です。
その代表例が、MX NylonとPETを組み合わせた飲料用の多層PETボトルです。
PET素材のみで作られた単層PETボトルと比較して、炭酸ガスの保持期間を2.4倍も延長できます。※1 PET : ポリエチレンテレフタレート
Case 1
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食品・飲料の賞味期限を延長できる容器包装
鮮度・風味の良い食品・飲料を消費者に提供することができます。
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- <さまざまな食品・飲料の容器包装に利用できるMX Nylon>
- MX Nylonは、PETボトルだけでなく、フィルム、パウチ、カップ、トレーなど様々な容器包装に用いることで、お茶や飲料水、レトルトやボイル殺菌で処理された食品などのさまざまな食品や飲料製品の保存期間を延長できます。
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- PETボトル(多層、ブレンド単層)
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飲料の賞味期限を延長させるため、お茶、炭酸飲料、飲料水、ビール、ワインなどのPETボトルとして広く使用されています。また、飲料の品質が悪くなりやすい高温多湿な環境でも、品質を長期間保つPETボトルを実現します。
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- フィルム(PA※2 / PO※3 (PE※4, PP※5) / PETとの多層、PAとのブレンド)
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MX Nylonを用いたフィルムは、熱や酸素によって風味や品質が変化しやすい食品の包装に広く使用されています。既存の素材と組み合わせることで、より高いバリア性・耐レトルト性などの機能を追加でき、耐ピンホール性・易裂性等に優れたフィルムを作ることも可能です。
※2PA: ポリアミド、※3PO: ポリオレフィン、※4PE: ポリエチレン、※5PP: ポリプロピレン
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- PP多層容器
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MX NylonとPP を組合わせた多層容器は、フルーツやペットフードなどの食品包装に広く使用されています。レトルト殺菌・ボイル殺菌した後も高いバリア性を保持する容器を実現します。
Case 2
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飲料水のおいしさをより長く保つPETボトル
PETボトルに入った飲料水は、世界的に消費量が増えており、家庭用・業務用ともに、「飲料水の風味を長期間保つPETボトル」の必要性が高まっています。
MX NylonをブレンドしたPETボトルは、「おいしい水を、長く飲めること」を可能にします。
PETボトルには、微量のアセトアルデヒド(AA)やホルムアルデヒド(FA)が含まれる場合があります。これらは時間の経過とともに容器から溶け出て、飲料水の風味を変化させると言われています。
PET素材にMX Nylonを0.5%混合したボトルは、アセトアルデヒドの溶出量を-23%、ホルムアルデヒドは検出不可能なレベルまで減少させることができ、飲料水のおいしさを長く保つことができます。
Case 3
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環境配慮と賞味期限の延長が両立可能な軽量PETボトル
PETボトルの軽量化は、プラスチック使用量の削減・運送時のコストやCO2排出量の削減など多くのメリットがあります。
しかし、PETボトルを軽量化するとガスバリア性が損なわれ、飲料の賞味期限が短くなってしまいます。
MX Nylonは、そのようなジレンマも解決します。
MX NylonをブレンドしたPETボトルでは、賞味期限を保持したまま、軽量化が可能です。
さらに、MX Nylonを用いた多層PETボトルでは、軽量化・薄肉化した場合においても、賞味期限を延長することが可能です。
パーソナルケア用品・薬品包装
- Needs
- 「プラスチックでも丈夫で長持ちする容器包装が欲しい」
「薬品を安全に保存したい」
Solution
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MX Nylonの「耐薬品性の高さ」で容器が従来の4倍長持ち!
ガラスや金属に代わる薬品用容器包装の素材としてプラスチックの種類を選択する場合、最も重要な性能は耐薬品性です。
例えば、単層PETボトルでは、約3か月経過した時点で、内容物である薬品が漏れ出してしまう場合があります。
そこで、MX Nylonを混合させることで、12か月後も漏れの無い安全なボトルを作ることが可能です。
Case 1
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薬品に侵食されず、臭いも漏らさない、長期保存が可能な容器包装
薬品やパーソナルケア、ブリーチ(塩素系漂白剤)、インクなどの容器として広く使用されています。MX Nylonを用いることで、内容物の漏れを防ぐことができます。
揮発性のあるトルエンを用いた実験では、MX Nylonを混合したボトルの方が混合していないボトルと比べて約16倍もトルエンを透過させないことがわかりました。
また、MX Nylonの高いガスバリア性により、アンモニア臭などの不快・有害な臭いの漏れも防ぐことができます。内容物 各内容物の透過率(g/bottle/day) HDPE単層ボトル MX Nylonブレンドボトル トルエン 2.65 0.16 キシレン 1.96 0.14 リモネン 0.92 0.05
容器包装の特徴と用途
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- PETボトル
- ブリーチ(塩素系漂白剤)、インク、デンタルリンス、香料のボトルなどに活用されており、製品の品質を保持したまま長期間の保存が可能です。
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- ポリオレフィンボトル
- 殺虫剤、農薬、有機溶剤などのボトルに活用され、高い耐薬品性によって長期保存を可能にします。
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- フィルム
- 幅広いパーソナルケア用品のフィルムに使われており、品質保持はもちろん臭いの漏れも防ぎます。
基本物性
項目 | 測定法 | 単位 | MX Nylon | |
---|---|---|---|---|
6000シリーズ | 7000シリーズ | |||
融点 | ISO3146 | ℃ | 237 | 229 |
ガラス転移点 | ℃ | 85 | 92 | |
密度 | ISO1183 | g/cm3 | 1.21 | 1.21 |
吸水率 | 自社法(水中浸漬) | % | 5.8 | 5.8 |
引張強度 | ISO527-1 | MPa | 112 | 112 |
引張弾性率 | GPa | 4.9 | 4.9 |
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- ガスバリア性に優れます
- MX Nylonは市販されているポリアミドの中でトップレベルの酸素バリア性を有しており、食品包材用途への適用が可能です。 MX Nylonは酸素バリア性だけでなく、炭酸ガスやその他各種ガスバリア性にも優れており、さらに高湿度下においても、高いバリア性能を保持することができます。
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- 様々な材料と組み合わせることができます
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MX Nylonの融点は237℃であり、溶融成形加工時の熱安定性に優れています。
さらに押出成形や射出成形用途に適した豊富なグレードをラインナップしています。 MX Nylonの成形可能な温度範囲は広く、PET、PA、PE、PP等と組み合わせて使用することができます。
食品安全衛生性
MX Nylonの基本的なグレードは、各国の食品安全衛生規格に適合しています。
- 日本
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厚生省告示第370号で定められた基準に合格し、食品接触材料のポジティブリスト(PL)に記載されています。
ポリオレフィン等衛生協議会自主規制基準に適合し、確認登録済みです。
既存化学物質番号は、7-387(ポリメタキシリレンアジパミド)です。
- 米国
- FDA 21CFR §177.1500, (b), (10.1), §177.1630,(e), (4) (v), §177.1390, (c), (1), (I), (e) and FCN #1841.
- 欧州
- Commission Regulation (EU) No 10/2011のANNEX Iにモノマー成分として記載されています。
- 中国
- GB 4806.6-2016
※ MX NylonのCAS登録番号は、25718-70-1(Hexanedioic acid polymer with 1,3-benzendimethanamine)です。
※ その他の地域に関するご質問や更なる情報が必要な場合は、お問い合わせください。
持続可能な社会の実現を目指して
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近年、食品廃棄、プラスチック使用量の増加、CO2排出量の増加による環境負荷が社会課題となっており、「持続可能な社会の実現」を目指して、これらの課題解決に向けた様々な取り組みがされています。当社も、SDGs(持続可能な開発目標)の1つである「つくる責任 つかう責任」を強く意識し、素材づくりに取り組んでいます。
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MX Nylonは、環境にやさしい素材です。
酸素や炭酸ガスを通しにくいMX Nylonを食品・飲料の容器包装に使うことで、賞味期限を延長させ、食品ロスの削減につながります。
また、MX Nylonを用いた容器包装は軽量化が可能であり、プラスチック使用量の削減や、運送時の燃費向上によるCO2排出量の削減に貢献します。
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- 容器のガスバリア性向上:
- 食品の賞味期限延長による食品ロスの削減
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- 容器の薄肉化:
- プラスチック使用量の削減
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- 容器の軽量化:
- 運送時の燃費向上によるCO2排出量の削減
環境に優しく、
持続可能な社会の実現に貢献するMX Nylon